2017年 05月 01日
映画「T2 Trainspotting」
待ちに待ったT2、地元のシネコンで見てきました。
今回も都内のミニシアターでしか上映しないだろう・・と思ってたから驚き。
こんな田舎でトレスポ見れるとは。
久しぶりに行ったこのシネコン、自動券売機ができていて
有人の窓口はこじんまりとなっていた。
空港もそうだけど、映画館もこうなってきたか・・。
自販機で、座席も選べるしクレカも使えるのです。
そこそこ大きなシネコンなのにスタッフは、
売店に1人
チケットもぎりに1人、
掃除スタッフが1人
と3人しか見かけず。
そのうち無人の映画館ができるのかな(-_-;)
時代は変わった、、なんて思ったけど
前作公開時の1996年は、こういうシネコン自体あったっけ?
まだ日本には少なかったような。
以下、ネタバレあり↓(*長文です)
で、それから20年後のエディンバラ・リースにいる主人公たちは
相も変わらずのご様子(笑)
いい具合に年を重ねてる風な人もいれば、
もう初老に見えるような人も。。(←スパッドのこと)
ベグビー(ロバートカーライル)は、まぁ丸くなったね!(体格が)
冒頭から、音楽がガンガン鳴り響き
あ~これぞTrainspotting!な感じ。
時々、第1作の映像もちょこちょこ入って来て
非常に懐かしい!
みんな若いです・・
あの薄暗いエディンバラの街並みは同じなのにね。
さらには、子供のころの映像も
セピア色・ソフトフォーカス気味に写るのですが
(ルーリードのPerfect dayがかかってた気が)
みんなこんなに可愛い少年だったのに、
あんなジャンキーになっちゃって・・(ノД`)・゜・。
スコットランド(UK全体ですが)の若者にとって
ドラッグは、日本では考えられないほど
近い存在なんだよね・・
(原作読むと、ほんと気が滅入るくらいひどい)
陰鬱なエディンバラの路地裏(2004年撮影)
長年のヘロイン中毒のせいで
奥さんと別居(離婚?)状態のスパッドが住む
カウンシルフラットが、また退廃的で・・(ノД`)・゜・。
家具も何にもないがらんとした絶望的な部屋で、
(ロンドン・バービカンのYMCAの部屋を思い出した)
スパッドは自殺を図るのだけど、
そこへレントンがやってきて危機一髪で救い出されます。
そこから一念発起し、ヤク断ちをしようとするスパッド。
「なんでもいいから夢中になれるもの探せよ」とレントン。
そう、なにか楽しいものを見つけないといけないんだよ。
でも、何かを絶つって凄く大変ですよね。
私だったら、お菓子を辞められるか?ってとこか?
1日とて達成できなそう・・
彼らが、アーサーズシートの丘をランニングするシーンでは
私も2004年にここを登ったので
思わずスクリーンを見ながら(・∀・)ニヤニヤ
山頂からは、エディンバラの街を見渡せる(2004年撮影)
(映画より)レントンとスパッド
ドラッグから離れて運動もしていたレントンとは違い、
なまけ切った体のスパッドは苦しそうで痛々しい。
奥さんと息子が暮らす家を訪れて帰る時、
2階の窓から息子がそっとスパッドを見つめる場面は
切なかった。
(気がいいヤツだけに、スパッドはなんだか
応援したくなるんだよな・・)
結局、スパッドは自伝を書くことに光を見出し
仲間もその文章力に驚きます。
思いがけず彼の特技を垣間見れ、
こちらもなんだか笑顔に。。
ケンカ中毒のベグビーは、変わらずサイコ野郎で
登場シーンからして、ぶったまげた(笑)
刑務所から抜け出すために
同じ囚人に腹を刺してもらい、入院。
看護師の目を盗んで、
点滴のチューブを引き抜いてベッドを降り
廊下にいた臓器移送業者を殴り白衣を強奪。
スタッフになりすまして、病院内を闊歩し
まんまと脱走!
で、奥さん(ジューン)と息子がいる自宅に
夜中、窓ガラスを破って侵入して帰ってきます(笑)
寝ていたジューン、絶叫 (^-^;
刑務所に入る前は、小さかった息子も
今はもう大学に行く年頃に。
泥棒稼業に息子を誘うクズ親父に対し、
それに屈することなく、自分の行きたい道を語る息子。
そして、親子は和解の道に。
固く握手を交わす男同士を見て
こちらもシミジミ・・
ジューンは、どれだけの気持ちで息子を育ててきたのか
と思うとね。。
色男・シックボーイは
叔母から受け継いだシケた場末のパブを経営する一方
裏では、ゆすりや
ビジネスパートナーのベロニカに売春まがいのことをさせて暮らしてます。
まぁ、、こいつも相変わらずク〇・・
でも、彼もまたなんでか人を惹きつける魅力があるんですよね。
撮影中の風景(と思われる)
街の再開発に取り残されたような場所にあるパブ・PORT SUNSHINE。
近くには、Scot Railが走り
店内にいると、ヒュンヒュンという音と光が終始差し込んでくる。
ここもまた退廃的な臭いプンプン。
実際にあるパブかなと検索してみたら、
建物自体は、グラスゴー近郊のClydebankにある
元ホテルを使用したらしい。
たしかに近くに線路があった。
ロケ地と言えば、ラノッホムーアもまた出てきた!
今回は、死んだトミーを偲ぶ旅として
再びこの地を訪れるのですが・・
結局は、これが引き金となって
リースに戻ってから、
レントンは久しぶりにヘロインを打ってしまう。
ここのトリップシーンや
冒頭のスパッドの自殺シーンでは
これぞダニーボイル!な映像美(美、と言っていいのか・・)が。
この時、スパッドは
レントンやシックボーイとは離れた場所に
座り込んで彼らを見てたけど、
打ってなかったのかな??
・・そうであって欲しい。
(映画より)ラノッホムーアを訪れて
(映画より)トリップシーン
そうだ、フォースブリッジも出てきた!
懐かしくて懐かしくて・・( ;∀;)
夕暮れのフォースブリッジ(2004年撮影)
トレスポと言えば、あの汚いトイレシーンが有名ですが
今回も、やっぱりあったトイレの場面(笑)
前回、ヤクを売って大金をゲットしトンズラしたレントンにとって
一番会いたくない相手であるベグビー。
が、クラブのトイレで
壁1枚隔てて隣あってしまう。
バイ〇グラを落としたベグビーに、
(スルーっと隣(レントン)のトイレの床に滑っていった)
「お盛んですね(的なこと)」とレントン。
「うるせー黙ってろ!!」
・・・
・・・
お互い、聞き覚えのある声に
顔をしかめる(笑)
レントンは、心臓バクバク。
便座に乗って隣のトイレを上から覗き込むベグビー。
そして、めでたく(笑)顔合わせ!
そこから、激しいチェイスシーンが始まります。
このカーチェイスや、
PORT SUNSHINE での喧嘩シーン*は
アクション映画?ってくらいな迫力。
前作にはなかった派手な演出に
お金かけられるようになったのねー、と思ったり。
(映画より)まさか・・あいつが隣に?!
そして、とうとう
レントン・シックボーイ・スパッドの3人は
大喧嘩*の末、ベグビーをブッ倒します。
そして、パブの前に停めた車のトランクに彼を押し込む。
(死んだのかと思ったよ)
どこに連れていくのかと思ったら、
これがなんと冒頭で出てきた刑務所なんですよね(笑)
車がキキーっとどこかに止まって
トランクの中では目を覚ましたベグビーが暴れる。
そんな車を後ろ側からカメラが煽って
徐々に私たちの視線もあがり
ドーン!とソートン刑務所が現れるシーンには
思わずニヤッ(笑)。
仲間の手によって、またベグビーは
ムショ戻りとなったわけです。
これは爽快だった!
今回も、お金をたんまりとだまし取る場面があるのですが
結局最後に美味しい思いをしたのは、ベロニカ。
シックボーイら男たちの手に大金が渡ることはなく
彼女は上手く持ち逃げし、
戻りたがっていた故郷(ブルガリア)へと帰っていく。
地元駅では、母親と息子?弟?が
優しい笑顔で彼女を迎えます。
あのお金が彼女の家族の幸せに使われるのなら、、と思っちゃいました。
このベロニカ役の女優さん、
厚めの前髪でとても可愛い人だった。
そういえば、ダイアンも今回
ちょろっと出ていましたね~。
ちょい役だけど、当時の面影があったから
すぐに彼女とわかった。
彼女も立派に弁護士になっていたし
ベロニカも、地元で地に足を付けて生きていこうとしているし
まぁ女性は強いですね。。
一方、レントンは、オランダでの夫婦生活に終止符を打ってしまったから
帰る所がなく、
肩を落として実家にすごすごと戻るわけですが
母親の亡き後、出迎えてくれるのは父親で。
抱擁を交わす姿には、涙涙。。
でも、自室に戻れば
(あの、トレイン柄の壁紙そのまま!)
イギーポップのLust For Lifeをかけて
体をくねらすという(笑)
う~ん、、また昔に逆戻りしないといいんだけど。
このLust for Life、最初からちょいちょいと短くは流れてはいたけれど
この最後の最後で、ちゃんと爆音で聞けました。
やっぱりかっこいい♪
パンフと文庫本
あのYoung Fathersオレガノも
前作Born Slippyと同位置で流れた♪
でも、ちょっと短かったな~。
(すぐに、エンドクレジットに入った)
劇中、気になる曲が沢山あったから
後で検索してみるかーと思ったんですが
パンフレットに、全曲解説があって助かった!
ブレイディみかこさんの記事や
トレスポ用語解説なんてのもあって、
内容充実だったので、900円でも納得でした。
本も読みたくなり、映画館出たらそのまま本屋へ。
ぶ厚いハヤカワ文庫で上下巻!
今は、前作をまず読み返すかってことで
こっち読んでますが↓
原作も映画も、まぁエグいですが
恐いものみたさで、面白いものです(^-^;
ということで、予想どおり楽しめたT2 Trainspottingでした。